JAL機379人全員脱出から考える日々の訓練と習慣。

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2024年の1月2日。午後7時、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した。

正月早々の事故、能登半島の地震。立て続けに大きな事故災害が起こった。

乗客は全員脱出できた。生々しい事故現場の映像を見る限り、現場に居合わせた乗客の緊迫した、悲壮な状況が伝わってくる。

外は赤い炎に包まれ、徐々に機内に煙が立ち込めていく。その煙が喉をつくように、口や鼻から入ってくる。人々は一度はパニックになりつつあった。当然だろう。

”早く出してください”という声。荷物を取り出そうとする人。でも

CAはただ、”落ち着いてください” ”顔をしゃがめてください” ”荷物は取らないで”と、指示を出す。

現場を撮影した映像から見ると、そのCAの指示の声に皆が従っていたように思う。誰一人、自分勝手な行動をする人は見えなかった。

だれもが、我先と逃げてしまいたいところだろう。

次に、ドアは開かないという声が聞こえてくる。CAは非難するドアを確認していた。

その映像を見て思った。私は大学の教育現場にいたことがある。その大学にはCAを養成する航空サービスという学科があった。

教室はボーイングと同じ大きさの客室が備えられていて、本番さながらの訓練ができる施設があった。さらに、地下にも避難するための、緊急脱出スライドがあった。

たまに大きな声で脱出の訓練をしている声も聞こえていた。

これを思い出したのだ。日頃の訓練。

この訓練通りに、非難は行われていたに違いない。もし日ごろの訓練が徹底していなかったら、CA同士のチームワークは取れないはずだ。

体に染みついているのだろう。それを見ごとにやってのけたのだろうか。

CNNはこの脱出劇は’奇跡’だと報じたそうだ。しかし、訓練の賜物がこの奇跡を呼んだのだ。

379人は全員脱出を果たした。その後、飛行機は完全に全焼した。もう少し、非難が遅れていたら、そして機内がパニックに陥っていたらどうなっていたのか、考えただけでも心が痛む。

今私たちは未曾有の災害にも立ち向かわなければならない。そして各地で戦争はやまない。コロナのパンデミックのような世界的な感染の危機にさらされている。さらに事故はいつ起こってもおかしくない。

そんなとき、2024年の日本航空の脱出劇を思い出したい。

それは、日ごろの訓練や日頃の災害時の習慣である。

我々は日々の生活で何気なく行動をしているが、それがイザというとき習慣で行動に出てしまう。

まずは、秩序を守りたい。そして、慌てないこと。

さらに、その状況ではだれが、中心なのか。だれの指示を仰ぐのか。

この事件であればCAである。

誰を中心に行動をするのか。いざというときにそれは生かされるのではないであろうか。

そして、訓練というのは、頭で考えてはいるが、体にしみこませるのであると思う。

体にしみこませるくらい、反復することで、それがいざというときに、お互いの連携が取れ、訓練が実を結ぶのだろう。

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