私は最近田坂広志著『直観を磨く 深く考える七つの技法』なる本を手にした。単行本ではあるがかなりボリュームのある、そして内容の濃いものだった。
本の題名の通り「直観」に関してそれを呼び覚ますための七つの方法論が書かれてあるのだが、我々の中に多くの人格があり、時には「賢明なもう一人の自分」が降りてくるという。
それが、直観であると述べている。この直観であるが、宇宙には無数の情報が散りばめられていて、無限の情報につながることができる。この無限の情報元を「ゼロ・ポイント・フィールド」といい、このような宇宙の出来事の情報が記録されているという仮説を紹介している。
「直観」は科学というよりは、より目に見えない分野、つまり宗教やスピリチュアルに近い概念だ。それを科学的にアプローチしているところにこの本の意味がある。
この宇宙に「量子真空」とよばれるものが存在し、その場が「ゼロ・ポイント・エネルギー」で満たされているということが、科学的事実として認められているという。
ある種のエネルギーなのだ。
それが、我々が日々体験している、「大いなる何か」から得られる知恵、閃き、インスピレーションであり、「大いなる何か」によって導かれるといった不思議な体験につながる。
直観を磨く 深く考える七つの技法 (講談社現代新書) [ 田坂 広志 ]
今まではこの「ひらめき」や「直観」に関しては、脳科学によって説明しようとしてきた。人はどうして「ひらめき」や「直観」が生まれるのか。それは
直観や第六感というものが、言語や論理を超えた脳の働きであり、この働きをするところが、前頭前野での「直観脳」とうい部分である。
これは脳内のセロトニンを分泌させ、「直観脳」を活性化させるというのである。
特に自然の中を歩くと「ゆらぎ」が生ずる。これは1/fゆらぎといいある周波数がをもっている。この自然の中にある「ゆらぎ」が自律神経の安定をもたらすとことがわかっている。
では「ゆらぎ」とは何か。
しかし、これ以上のどうして「直観」が生じるのかという科学的根拠までは提示できてはいない。
ここまでくると、宗教的な現象が科学によって証明するという段階にまでくる。
「直観」を迷信化せずに、日々の生活にしっかりと取り入れることを積極的に行おうとすることは、我々の生活をより豊かにするうえで有効になってくるだろう。
「直観」を科学的に証明するときは来るのだろうか。
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