セロトニン研究の第一人者、有田秀穂氏の著書『ひとりミーティング』
カバーには’健康にも、ビジネスにも、セロトニンの力’と謳われていた。
「直観脳」という部分がある。前頭前野(額のうしろに位置する)が大脳の30%を占めるのだが、、「直観脳」はその前頭前野の正中部にあるという。
インド人はこの場所に印をつけている。ヨガや瞑想をすると、この「直観脳」の血流が特別に増すことを研究で明らかにし、世界の科学雑誌に掲載する。
「直観脳」は直観つまり言語や論理を超えた脳の働き。その機能を司る脳が、前頭前野の正中部にある。インスピレーションを司るのもこの「直観脳」だ。
さらに、直観的に人の心を読み取る共感力も司っている。
我々が何かに集中しているときは、左脳にある言語脳と仕事脳が活性化している。これは緊張状態であるのだが、この状態では「直観脳」は停滞する。
ただ、心が休まり、リラックスしたり、自然の中や朝日を浴びたりすると、脳幹にあるセロトニン神経が活性化されていく。
そのときに覚醒状態になるのだが、本書ではこのような境地を「ゾーン」に入ると表現しいている。つまり、体が自然に動いていく状態なのである。
ここで重要な因子として、二つのことをあげている。
1.歩行によるリズムの運動
2.呼吸のリズムによる瞑想
というリズム運動である。
この二つのリズム運動のセットを行うことで、セロトニンが分泌され、直観脳に血流が送り込まれ、幸福感、ひらめき、覚醒状態に入ることができると説く。
そこでポイントとなるのが、「言語脳」や「仕事脳」といった知力(止めどもなく浮かぶ考え)の部分を抑えていることだ。これはできるだけ、知力つまり大脳を鎮静化させるという前提が必要である。
よって
散歩も、ただ歩くことに集中すること、瞑想も、ただ座って呼吸だけに意識をもっていくことが大切だという。
<書籍の感想>
一貫して科学的な研究結果をもとに、セロトニン分泌や直観脳の働きから、「ひらめき」や「直観」そして幸福感を説明している。
科学的な分野にもなじめなくても、わかりやすく説明しているので、日々の日常生活に気軽に散歩時間を取り入れることができるようだ。
そして散歩だけでなく、「瞑想」も取り入れることで、心と体を癒す自然治癒力が生まれるという点において、年齢層に関係なくだれでも無理なく散歩と瞑想が実践できそうだ。
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